想像力を鍛えて夢を実現する方法

いろいろなワークをするとき、なかには「うまく想像する、またはイメージすることができない。」という人もいるかもしれません。
けれども安心してください。私も最初は苦手でした。

実は、より“リアルに”想像する、またはイメージするにはちょっとしたコツがあるのを知っていましたか?
何かを想像したり、イメージしたりすることは、実はみなさんも普段からやっていることです。本当はすごく簡単なことなのですが、ちょっと意識すると、とたんに忘れてしまったりします。

脳は「リアルな想像」と「現実」の区別がつかない

例えば、何かを手にとって持った場合、その刺激はどこで感じているのでしょうか?手のひら?それとも指先でしょうか?また、何か食べたときその味はどこで感じているのでしょうか?

私たちは視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚のいわゆる「五感」を通して情報をインプットしています。
そして、そのインプットされた情報は、すべて脳が処理をして「感じている」のです。
目の前にないレモンを「想像」しただけで、唾液があふれてくる…これはまさにイメージの力です。

想像力の豊かな人は「レモン」という言葉を聞いたり、その文字を見たりするだけで、そういうことが起こることもあります。そして、この「想像力」というものは、実は人間であれば誰しも持っているものです。
つまり、すでに我々が持っている能力なので、今そうでなくても、これは訓練することで伸ばすことができるのです。

「それはどんな色をしているのか?」
「見た目はどんなカタチをしているのか?」
「周りで聞こえている音は?」
「手で触ったときの感覚は?」
「そのときに浮かぶ感情や気持ちは?」
ものごとをより「リアル」に想像するには、このように五感を刺激するような想像をしてみるのです。

先ほど、私たちは五感を通して情報をインプットしているといいましたが、その刺激が、“実際に”見て、聴いて、触ったものかどうかは、実はあまり関係ありません。
なぜならば、最終的な情報の処理は、目や耳や指がしているのではなく、「脳」が処理しているからです。

脳は、「リアルな想像」と「現実」をどちらも同じシステムを使って処理をするので、明確に区別することはできません。
つまり、さきほどのレモンの例でも分かるとおり、五感を刺激するような想像(イメージ)をすることで、結果としてそれが現実にも影響を与えることになるのです。

モダリティ(表象システム)とサブモダリティ(従属要素)とは?

この、感受性の分け方にはいろいろありますが、先ほどの五感をベースに大まかに三つのタイプ(モダリティ)で分ける方法があります。それは、
・V:Visual=視覚
・A:Auditory=聴覚
・K:Kinesthetic=体感覚(味覚、嗅覚、触覚)
という分類の仕方です。

この三つのモダリティの優劣は、人によってまちまちです。
視覚的な情報に敏感な人もいれば、音に関して敏感な人もいます。また、他の感覚に比べて体感覚が優れている人もいます。
そのことを理解するために、ひとつ簡単な質問します。
「海を想像して、それを言葉で表現してください。」
いかがでしょうか?

あなたは「海」を想像したときに、いったい何を思い浮かべたのでしょうか?
この質問によって出てくる答えは、人によってまったく違います。そして、どれも同じ「海」を表しているのです。

ある人は「水平線に沈むオレンジ色の夕日の景色」を思い浮かべました。
もう少し詳しく説明してもらうと、
「夕焼け色に染まった雲が見えます。そして、濃紺からオレンジ色のきれいなグラデーションのかかった空と、きらきらと光を反射した海との隙間に、燃えるようなオレンジ色をした大きな太陽が沈んでいく景色を見ています。」
と答えました。
またある人は、「波音」や「静かさ」など、海にまつわる「音」を頭の中で聞く人もいます。
「プライベートビーチのひっそりとした静かさの中で、一定のリズムでよせてはかえす、『ザザーッ』という波音が聞こえます。ホテルの敷地からは民俗音楽が聞こえてきて、遠くでは海鳥のあの独特の鳴き声や、行きかう貨物船の汽笛、そして耳を澄ますと、かすかにヤシの木を揺らす風の音を耳にすることができます。」
こんな感じの表現です。

さらに、体に触れる感覚や、その場の「雰囲気」を思い浮かべる人もいます。
「常夏のリゾートで、さんさんと降り注ぐ太陽の光を浴びながら、長く大きな弧を描いた砂浜をのんびりと歩いています。足の裏は『さらさら』としたきめの細かい砂の感触を感じ、また、波打ち際に行くと、日光で暖かくなった潮水が足を洗います。散歩をしたあとは、デッキチェアに横になりながら、ゆったりとした気分を存分に味わっています。」
体感覚で想像する人は、こんな風に説明してくれました。

つまり、「海」というひとつの事象をとっても、これだけの表現の違いがあるのです。そしてこの違いは、先ほどお話した私たちの感じ方(モダリティ)をそのまま表しているのです。
私たちは知らず知らずのうちに、何かを想像するときに自分自身の中で、優位性の高いモダリティを使ってイメージしています。自分のモダリティを知り、そしてそれをうまく使いこなすことでリアルな想像をすることができるようになります。
※ただし、V(視覚)が100%とか、A(聴覚)が0%とか、ということはありません。V、A、K の優先順位はあっても、それらすべてを使って私たちは外部からの情報をインプットしているのです。

ちなみに、私たちは、目で見たものや耳で聴いたもの、体感したことや感情を表すときには、さまざまな言葉を使っています。
上記であげた例では、視覚的な表現である「光」「見る」「景色」、聴覚を刺激する「静けさ」「リズム」「ザザーッ」、体感を表す「浴びる」「横になる」や、内的な感覚である「のんびり」「気分」などがそうです。
色や形、重さや大きさ、音や声、温度や明るさ、距離や雰囲気など、「感覚を記号化したもの」を、それぞれの表象システム(モダリティ)の従属要素(サブモダリティ)といいます。
そして、自分が普段使っている言葉(サブモダリティをあらわす叙述語)によって、自分たちの優位性の高いモダリティを知ることができ、それを利用することで、脳に対してより“リアルな”情報をインプットすることが可能になるのです。

リアルな想像力の訓練

前述の、V、A、K を意識しながら実現したい夢や目標を想像する…という方法もリアルな想像力を訓練するのにとても有効ですが、実はもっともっと簡単な方法があります。
それは、実際にその「手に入れたい成果を経験する」ことです。

「現実に起こっていないことをどうやって経験するんだよ?」
という方もいるかと思いますが、例えばこんなのはどうでしょうか?
ある人は、「経済的に成功して、六本木ヒルズの高層階に住む!」という成果を手に入れることを目標にしました。
けれども、ご存知の方もいるかもしれませんが、六本木ヒルズの住居棟や高級マンションなどは、居住者や、その関係者でなければ入ることができません。
そこで彼は、まず六本木ヒルズの展望台「東京シティービュー」に上りました。
六本木ヒルズのランドマークになっている、あの森タワーの52 階です。

1,000 円の入館料は取られますが、たかが1,000 円です。「これから成功する」彼にとっては、たいしたお金ではありません。
そして、その六本木ヒルズの最上階の展望台から、360 度の壮大な景色をじっくりと眺めたのです。もちろん、ただ景色を眺めるだけではありません。
「この景色を、自分は自分の部屋から眺めている。」
と、さまざまな想像しながら、その現実の景色と想像の中のイメージをすり合わせながら、自分のものにしていったのです。
さらにその後、イメージをより強固なものにするために、高級マンションのモデルルームに足を運びました。

通常は新築物件の場合、展示場形式のものが多いのですが、そのモデルルームはたまたま竣工済の物件で、実際のマンションの一室を利用した、ホンモノのお部屋です。

部屋数は3LDK+WIC+SIC。値段はもちろん1 億円超で、地上40 階にある160 平米ほどの広さの物件です。
キッチンカウンターはなめらかな手触りの天然大理石を使用し、天井の高さはなんと最大2.8m。30 畳もあるリビングルームは、まるでホテルのスイートルームのような豪華さです。もちろん、防犯用のカラーモニタ付のハンズフリーインターホンやTES の床暖房も標準装備。
そして、ベランダから見える眺望はまさに東京の大パノラマ。夜になれば宝石をちりばめたような美しい夜景が見えるのも容易に想像することができます。

モデルルームの良いところは、そのマンションでの生活をリアルに体験できるように、家具や生活雑貨などが一通りディスプレイされていることです。
特に高級マンションのモデルルームは、家具や雑貨も一流品です。
手触りのいい革張りの大きなソファや、どんなに寝相が悪くても落ちることがなさそうなキングサイズのベッド。キッチンには、大人が入れそうなくらいの大きなドアがついた両開きの冷蔵庫があり、それぞれの部屋には、生活に潤いを与えるような観葉植物や、温かみのある色の落ち着いた間接照明なども設置されています。

そんな夢のような生活の一端を、まさに目で見て、家具の質感などを肌で感じ、そして、営業マンのすばらしい説明を耳で聞きながら、五感を通して体感することができます。

すぐに、理想としている「ヒルズ族」としての経験をすることはできませんが、限りなく近い目線(下手するとそれ以上の目線)から、「ヒルズ族」が見ている景色を実際に見て、そして彼らが愛用している最高級の家具に囲まれた生活を肌で感じることができるのです。

「つるつるした滑らかな大理石のカウンター」
「眼下に広がるミニチュアのように小さな町並み」
「外界の音を一切シャットアウトした静かなリビング」

前述のとおり、私たちが実際に体験したことは、五感を通して脳に記憶されます。ちょうど記憶の引き出しに「感覚のラベル」を貼って保存していく感じかもしれません。
そして、そのラベルを思い出せば、いつでもその体験を「五感を使ったリアルな想像」として思い起こすことができるようになるはずなのです。

もうひとつ例をあげましょう。
「ランボルギーニ・ムルシエラゴのシフトノブを想像してください。」
車に興味のない方には申し訳ありませんが、「ランボルギーニ」というのはフェラーリやポルシェなどと並ぶ名門車メーカーで、「ムルシエラゴ」というのは、その最高グレードのいわゆる「スーパーカー」の名前です。

その車のシフトノブを思い浮かべて欲しいのです。
…できましたか?
もしかしたら、まったくイメージが浮かばずに、自分が今乗っているAT 車のシフトノブや、会社で使っている社用車の車内を思い浮かべてしまった人もいるのではないでしょうか?

もし、「いつかスーパーカーに乗るような成功者になる」という夢を持っているのであれば、「いつか」ではなく、「今すぐに」そのスーパーカーに乗りに行くのです。
さすがに、試乗車で街なかを乗り回すことはできないかもしれませんが、スーパーカーのショールームやディーラーに行けば、きれいに磨き上げられた美しいフォルムのその車が展示されています。

日本の狭い道路を、横幅いっぱいに占有しそうなワイドボディ。身体にぴったりとフィットするような、さわり心地のよい革張りのシートに座ると、今まで見たこともないような地面スレスレの目線にびっくりすることでしょう。
そしてアルミ削りだしのひんやりとしたシフトノブの質感や、手に吸い付くようなハンドルのグリップ感を体験することができます。

タイミングによっては、既に実際に乗っているオーナーがメンテナンスのためにやってくるかもしれません。そうすれば、スーパーカー特有の、あの“お腹に響き渡るような”重厚感たっぷりのエギゾーストノート(排気音)を聴くこともできるでしょう。
もしかしたら、高級そうなスーツを身にまとったそのオーナーの姿は、将来のあなた自身の姿なのかもしれません。

「でも…所詮それってただの想像でしょ?」
まさにそのとおり。ただの想像です。けれども、私たちは「知らないもの」を想像することはできません。
実際に目で見て、耳で聴き、そして肌で感じたもの…つまり五感を通して得た情報を、ひとつでも多く記憶に刻み込むこみ、そしてそれを利用し、組み合わせることで私たちは「リアルな想像」をすることが可能になるのです。

…くだらないですか?
確かに「くだらない」と思う人もいるかもしれません。
けれども、こんなくだらないことでさえ、普段はみんなやっていないのです。
そして逆に、成功する人、欲しい成果を手に入れている人は、楽しみながらこんなことをやっているのです。

ですので、まずは遊びだと思って、楽しみながらあなたのその夢や願望を体験し、そして「五感のラベル」を意識しながら想像してみてください。

リアルな想像力を鍛える

○ あなたのモダリティ(表象システム)を探る。
あなたが普段使っている「言葉」や、ものごとに対する「感じ方」(サブモダリティ)を振り返って書き出してください。そして、V(視覚)、A(聴覚)、K(体感覚)の中で、どの感覚が一番優位性の高い感覚のか調べてみましょう。

○ 実際に「五感のラベル」を意識しながら体験する。
あなたが手に入れたい成果や目標を、どうやったら実際に体験することができるでしょうか?できる範囲内で体験してみましょう。
そして、その体験するときに、「五感のラベル」を意識してください。

○ これから実現したい夢や目標を、先ほど意識した「五感のラベル」を使って思い浮かべてください。
色や光(視覚)、音や声(聴覚)、やわらかさや気持ち(体感覚)など、五感を刺激するようなものを意識しながら想像してください。

理想の自分、理想の状態を想像する

先ほどやっていただいた、視覚(V)・聴覚(A)・体感覚(K)を意識しながら、いままでに経験した成功体験や、これから手に入れたい自分の夢や目標を想像すると、ある感覚を感じるかもしれません。
心臓がドキドキしたり、喜びの感情が沸き起こったり…気分が高揚して、思わず笑顔で顔がほころんでしまうという人もいます。

このように、「リアルな想像」によって、「喜び」や「楽しい」という感情や、「満足」、何かを成し遂げたときに感じる「達成感」など、肯定的な感覚で満たされている状態を、「リソースフルな状態」と言います。

この「リソースフルな状態」をいつでも引き出すことができると、さまざまな場面で役に立ちます。
例えば、なにか新しいことを始めるとき。
新しいことを始めるときは、未知の領域への期待感と、まだ起こっていないことへの漠然とした不安感を同時に感じたりします。
期待感のほうが大きければ問題がないのですが、時には不安感のほうが大きくなってしまって、ついつい一歩を踏み出すのを躊躇してしまう…心のブレーキがかかってしまったような状態に陥ることがあります。

そんなときに、前述のように視覚(V)・聴覚(A)・体感覚(K)を意識しながら、過去の成功や、あなたの夢が実現したことをイメージして、リソースフルな状態を引き出すのです。

すると、みるみる自信がわいてきて、もしかしたら、前向きな一歩を踏み出すキッカケを作ることができるかもしれません。
また、なにかイヤなことがあって気分が滅入っているときなどにも、この「リソースフルな状態」は威力を発揮します。
例えば、仕事で何か失敗をしてしまったとき。
上司から叱責され、周りのスタッフにも迷惑をかけてしまい、自分自身の気持ちが萎えてしまって、自信をなくしてしまいました。

そんなときに、さきほど思い出したような「気分が高揚するような具体的な事柄」を思い出してみてください。
まずは、仕事に関わる事柄でなくても結構です。
旅行で行った海外のプライベートビーチ。趣味のスポーツで味わった、勝利したときのあの興奮した気持ち。気の合う仲間といっしょに飲んでいるときに感じる安心感や充実感。
もちろん、過去にあった仕事で結果を出して、周りのスタッフや上司と味わった成功体験を思い出してもいいでしょう。
そのこと(過去にあったリソースフルな状態)を思い出すことで、今の自分自身の滅入った気持ちを中和し、そしてさらに次に進むための原動力に変えてしまうのです。

リソースフルな状態を想像しよう

○ 過去にあった成功体験や、想像することで気分が高揚したり、気持ちを落ち着かせたりすることのできる体験を思い浮かべて書き出してください。ひとつでもかまいませんし、もちろん複数でもかまいません。

前述のV(何が見える?:視覚)、A(何が聞こえる?:聴覚)、K(どんな感じが
する?:体感覚)のモダリティを意識して、そのときに味わう感覚を、より具体的に想像するとよいかもしれません。

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