ゲーム業界採用担当者の目に留まる履歴書の書き方

「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」。
孫子の兵法ですね。真理です。

武器を把握し、敵を定めたあなたは、とてもイイ顔をしています。斬りたくて仕方ない、といった顔を。では早速、一次選考を突破して参りましょう。

必要な書類はニつ。履歴書と企画書です。
この二つの書類さえ攻略できれば、一次選考はスムーズに進みます。(尚、中途枠を狙う場合は、別途職務経歴書が必要になってきたりしますが、基本的には履歴書と同じと考えてもらって問題ありません。書ける内容が増えただけです。)

さて、履歴書と、企画書。
恐らく、全選考過程の中で、この二つの書類の作成が、最も困難を極めます。そのためここで、この二つの書類の作成法について触れて います。
逆に言えば、この山さえ突破してしまえば、後は準備次第でどうにでもなるので、 是非、前向きに取りかかってください。

履歴書の書き方

では、履歴書からクリアしていきましよう。
ないと思いますが、もし「今までに一度も履歴書を書いたことがない!」あるいは「履歴書のイロハも不安だ!」という場合は、『履歴書』で検索し書き方の基礎を学習してください。

また本であれば一冊も読めば十分です。が、一冊は絶対に読んで下さい。落としている項目があるはずです。
ちなみに最低限のフォーマットなどは、自分で調べてください。

參履歴書における最も重要な2つの項目

あなたは、履歴書を書くに辺り、最も注意すべき箇所は何だと思いますか?名前、住所、希望雇用形態など、書く欄は書類によって様々ですが、その中でも共通して、細心の注意を払うべきニ項目。

答えは、自己PRと志望動機です。
ちょっと考えれば当たり前のことですが、意外なことに、このニ項目をきちんと書けている履歴書は、ほとんどありません。何故か? 書き手(=新卒や未経験応募者)の大半が、自らの武器を把握していないからです。

というのも、履歴書とは、本来履歴を書き連ねるものではありません。あくまでも履歴を通して、現在のあなたの武器を主張するものです。そして先にも述べましたとおり、武器=統一性。いわゆるダメな履歴書においては、この統一性が皆無なのです。闇雲に「アレができる」「コレができる」と書いているだけで、何を主張したいのか全く分からない。要するに履歴書を見ても、確固とした武器が見えてこない。巷には、そんな履歴書があふれかえっています。
だからこそ、あなたには付け入る隙があります。

実際は、履歴書の自己PRと志望動機ほど、書きやすい項目はないからです。なぜなら、
▼【自己PR】
武器の説明。
▼【志望動機】
武器を活かしやすい理由


これだけですから。武器を把握した今のあなたには、赤子の手をひねるより簡単です。それこそ武器=シナリオならば、略歴から資格から自己PR欄まで、ひたすらシナリオについて言及し、そして志望動機の欄にだけ、「御社の xxな部分において、シナリオを活かせると思った」、と書けばいい。それだけ。 たったそれだけのことで、マトモな履歴書が出来上がります。

逆に言えば、それ以上のことを書いてはいけません。無駄に多くの情報を含んだら、せっかくの武器が埋没し、伝わりにくくなってしまいます。

あと、もう一つ注意しなければならない点があるとすれば、志望動機において「会社志望理由」ではなく、「業界志望理由」を書いてしまうこと。これはマズいので、 気をつけてください。

極端な話、志望動機以外はコピぺでも何ら問題ないのですが、志望動機だけは、 その会社特有の通由を書く必要があります。何故セガではなくスクエニなのか。何故コナミではなくナムコなのか。それが分かるように書いてください。でないと、 「他所へ行けばいいじゃん」と思われてしまうので。

以上の点に気をつけて、まずは実際に履歴書を書いてみてください。
書き上がったら、何度も読み返し、自分なりに改善点を探してみると良いですね。何事もまずは実践から。ちなみに、履歴書は「ユーザーの気持ちを考える」よろしく「人事の気持ち」を考えて書くと吉です。企画者として生きて行く以上、あらゆる場面を企画に置き換えて考えることが必要です。履歴書も企画・自己演出の一端です。

勝つために欠かせない4つのステップ

お疲れ様です。
では、下記のヒントを踏まえて、バージョンアップを図ってください。

人事が好む単語を散りばめろ

まず一つ目のステップ。
これはよく、ネットビジネスのセールスレターなどで使われる手法です。 読み手が反応しそうなワードを、とにかくふんだんに散りばめる。それだけ。それだけで、反応率が爆発率に上がります。

具体的には下記の単語(もしくは、それに近い言葉)を、履歴書のあちこちに、それとなく散りばめて下さい。なお、ここで言う「人事」とは、もちろん開発のトップのことです。

【人事の大好物】
① コミュニケーション能力(交渉術、表現力、適応能力)
② 好奇心(軽いフットワーク、広い視野、鳥瞰、バランス)
③ サービス精神(ユーザーの気持を考慮、エンターテイナー魂)
④ 柔軟性(瞬発力、発想が自由、やわらか頭、常識を疑う)
⑤ 忍耐力(努力、根性、気合、ガッツ、体力、タフ、徹夜上等)
⑥ 積極性(度胸、バイタリティ、「習うより慣れろ」)
⑦ 向上心(チャレンジ精神、集中力、温故知新、貪欲、シャア)
⑧ 構成力(全体把握能力、計画性、リーダーシップ、自己管通)
⑨ ゲーム性(メディアの必然性、インタラクティブ性)

ちなみにこれらは、そのまま「企画者に求められる能力」「通想の企画者像」でもあります。参考までに。全て業界常識の範囲内ですので、 わからない単語などは調べておいてください。

武器につなげろ

二つ目。
履歴書は、履歴の書ではありません。履歴を通して、今のあなたを見せる書です。もっと言ってしまえば、履歴を通して、今のあなたの、武器を見せる書です。先にも言いましたとおり、ある種の演出だと思ってください

従って、仮にあなたの武器がシナリオならば、あなたのあらゆる履歴を、 無理やりシナリオにリンクさせることがポイントとなります。コンビニのレジ打ち歴だろうと駅前の掃除歴だろうと引っ越しのドライバー歴だろうと、とにかく全てシナリオに生きたと、無通やり理由をつけて繋げること。「一見関係なさそうな分野に、利を見出すことができる」というアピール。それが高評価につながります。

例えば、そうですね。
[コンビニバイ卜]to [シナリオ]
深夜、早朝、昼間。各時間帯に来る人の特徴・差異を観察し、2年間に渡り記録をつけていました。人を見る目とキャラクター作成、また人物描写には自信があります。

[駅前の掃除]to [シナリオ]
早朝の駅前広場、真昼の螺旋階段、真夜中のホーム……。掃除をしながら、ずっと空間演出を見つめていました。必然的に目は肥えていますし、だからこそカメラワーク・情景描写には自信があります。

[引っ越し屋]to [シナリオ]
引っ越し前の家から、引っ越し先に移動する。その過程に、必ず起承転結を見出すよう心がけていました。 クライアントの数だけプロットを書きためてあります。 瞬発力と構成力だけは誰にも負けません。

こんな具合に。早い話、物は言いようということです。
ただし、嘘はいけません。
何事もやり過ぎない程度にして下さい。

例えば、最初のコンビニバイトの例にしても、脳内に記録をつけていた、と考えれば嘘ではありません。ありませんが、万が一データを見せろとせがまれたら困りますよね。まあ、「(脳内の)データが飛んだ」とでも答えれば問題ないでしょうのが。

とにかく、弁解が効く程度のところで止めておいて下さい。その辺のさじ加減は、自分の実力と相談して決めて下さいね。

One opinion, one reason(「一つの主張には、一つの根拠を」)

三っ目。
それこそ上記の例のように、「人物描写に自信があります」と主張する以上は、その理由、「コンビニバイトで2年間人間観察をしていました」 という根拠を、必ず挙げてください。
一つの主張には、一つ以上の根拠を添えること。鉄則です。

また、「主張」はきちんと「主張」にして下さい。要するに、「たぶん」 とか「?と思う」とか、曖昧な表現は避けてください。規模や期間を説明する際も、「かなり」と書くくらいなら「90%」と、「長年」と書くくらい なら「10年」と書く。それを強く心がけて下さい。企画者が中途半端な表現を使うことほど、情けない話はありません。「たぶん売れると思う」 で大赤字など、洒落になりませんから。

最初は、「断定ばかりだと偉そうに見えないか?」と不安になることもあると思います。が、そこはそれ、しっかりした根拠さえあれば大丈夫なので、慣れて下さい。さて、次はいよいよ大詰めです。

【Stepl】?【Step3】を踏まえた上で、フ?マットや文体を崩す

【Stepl】?【Step3】までは、言ってみればストレート球。
この【Step4】は変化球です。

まず、「フォーマット(=書式)を崩す」
これは、簡単に言ってしまうと、飾りつけやレイアウトに凝る、ということです。例えば……ゲーム会社ではないのですが、履歴書の周囲に、小さい頃から現在に至るまでの自分の写真を貼りまくって、JR東日本に受かった、という人がいます。

要するに、書くべきポイントさえしっかり押さえていれば、ある程度遊んでも良いということ。ましてあなたが受けるのは、ゲーム業界。「楽しませてナンボ」の世界です。下手にガチガチの履歴書を送るより、ちょっと冒険してみたほうがよっぽど勝算があります。

他方、「文体を崩す」というのは、そうですね。
例えば、武器のアピールに際しても、ただ「語学が好きです」と書くくらいなら、「語学を愛しています」と書いたほうが、インパクト強いですよね? 「尊敬する人は誰ですか」「吉川栄治と脳内結婚しています」、とか。

両者とも、具体的な凝り様はあなた次第。何かしら、工夫してみてください。
ただし!
構成だけは崩さないこと。つまり、「あなたの武器を主張する」という、 そもそもの履歴書の目的だけは、絶対に忘れないでください。

上記のテクニックは、根底がしっかりしていて初めて通用するものです。 ただレイアウトを崩したからといって、中身がなければなんにもなりません。そこはお忘れなきようお願いします。

お疲れ様です。
以上が、勝てる履歴書の4ステップです。念のため、まとめておきます。
▼【ステップ1】
人事が好む単語を散りばめる

▼【ステップ2】
 武器につなげる

▼【ステップ3】
一つの主張には、一つの根拠を。

 ▼【ステップ4】
フォーマットや文体を崩す。

この四つです。あとは、曖昧な表現を避け、できるだけ具体的な数値を出すこと。以上の点に気をつけて、勝てる企画書を作成してください。

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